気胸センター

気胸センター

はじめに

 当院では気胸の患者様のお受け入れが年々増加傾向にあり、それに伴い手術や気管支鏡治療などの専門治療のニーズも増えてきています。そこで、呼吸器外科医や呼吸器内科医、救急医および集中治療医それぞれが専門知識を持ち合った集学的治療をご提供できるよう、

このたび気胸センターを開設致しました。24時間体制で、様々な容態の患者様に対応致します。

 

気胸とは?

 気胸とは、何らかの理由で肺に穴が空き、肋骨と肺との隙間に肺から漏れた空気が溜ってしまう状態を指します。溜まった空気により肺が圧迫され、うまく膨らむことが出来なくなることで呼吸の苦しさや咳、胸の痛みが現れます。

どのような人が気胸になりやすい?

 気胸は主に「ブラ(肺嚢胞)」と呼ばれる、肺表面にできる風船のような弱い構造物が破裂することで起こります(自然気胸と言います)。痩せ型で高身長の方の成長過程ではブラが作られやすく、それが破裂すれば気胸を来します(原発性気胸)。またタバコによる肺の破壊が進んだ肺気腫でもブラが多発するため、気胸の原因となります(続発性気胸)。

 他にも、転倒や交通事故などで胸を打撲した際、肺が損傷することで起こる外傷性気胸や、月経に関連する気胸などもあります。

 

治療

  • 初回の気胸の場合

軽症の方は、外来通院での経過観察が可能です。しかし中等症以上の場合には、原則として入院の上で胸腔ドレナージを行います。脇の下から部分麻酔でチューブを挿入し、体内に溜まった空気を抜く処置です。肺の穴が自然に塞がって空気漏れが止まり、元通り肺が膨らめば退院できます。しかし、なかなか肺の穴が塞がらない場合には、手術を推奨することもあります。

 

  • 2回目以降の気胸(再発)の場合

気胸は再発しやすい病気であり、2回目以降の気胸の方は原則として手術が推奨されています。手術は基本的には胸腔鏡手術を行います(下記参照)。

 

※上記はあくまでも原則的な内容です。「どうしても入院できない」「初発だけど手術をしてほしい」などのご希望がございましたら、それぞれの患者様に応じた最適な治療方法をご提案致します。

 

  • 胸腔鏡手術

 先述の通り、気胸は再発率の高い病気です。肺を直接修復して再発率も下げることができる胸腔鏡手術は、非常に有効な治療法です。

 現在は5mm程度の細い内視鏡を体内に挿入し、画面に肺の映像を映しながら行う胸腔鏡手術(VATS)が主流となっています。5mm~1cm程度の大きさの傷を2~3箇所作成し、ブラの部分の肺を小さく切除し修復します(肺部分切除術)。

当院ではさらに傷を減らし、1箇所のみの傷で行う単孔式胸腔鏡手術も積極的に取り入れております。

術後2~3日後に退院でき、退院後10~14日後の外来受診で傷がよく治っていれば、普段通りの生活に戻れます(それまでは激しい運動は控えてもらいます)。

 

↑ブラを切る様子   術後二週間の瘢痕↑

 

  • 手術以外の治療法

 呼吸不全や併存症により全身麻酔の手術ができない方には、胸膜癒着療法や気管支鏡での塞栓療法などの手術以外の治療選択肢をご提供致します。お気軽にご相談ください。

 

【お問い合わせ先:入退院支援室】
TEL:03-3979-3611
(代表電話:音声案内から4番を選択してください)
受付時間:平日 9時から17時、土曜日 9時から12時

緊急の受診・入院の相談(医療機関のみ)
TEL:03-3979-3709
(入退院支援室 直通電話)
受付時間:平日 9時から17時、土曜日 9時から12時

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