当科の特徴

整形外科は運動器の疾患を扱う診療科です。 身体の芯になる骨・関節などの骨格系とそれを取り囲む筋肉やそれらを支配する神経系からなる「運動器」の機能的改善を重要視して治療する外科で、背骨と骨盤というからだの土台骨と、四肢を主な治療対象にしています。

背骨と脊髄を扱う「脊椎外科」、上肢を扱う「手の外科」と「肩関節外科」、下肢の「股関節外科」、「膝関節外科」と「足の外科」、スポーツによるけがや障害を扱う「スポーツ医学」、「リウマチ外科」、腫瘍(できもの)を扱う「骨・軟部腫瘍外科」、骨粗鬆症などを扱う「骨代謝外来」と多数の専門分野があります。

スポーツ傷害や交通外傷、労働災害などに代表される打撲、捻挫、骨折などの「外傷」は勿論のこと、変形性変化を伴う加齢疾患、骨粗鬆症、関節リウマチ、痛風、運動器の腫瘍、運動器の先天異常など先天性疾患など、新生児時から老年まで幅広い患者層を扱います。 (日本整形外科学会)

当科外来へ受診される方へ

当科では、急性期病院であるため病院でなければできない検査、診断、および治療を必要とされ、今後入院治療や手術を必要とされる患者さんを基本的な対象としています。 そのため外来通院での投薬、注射、あるいは物理療法(温める、電気をかける、牽引するといったいわゆるリハビリ)のみの患者さんはお近くの開業医の先生への通院をお願いしています。 当科では、外来診療時間は午前のみ(受付時間11時30分まで)となっており、原則午後の外来診療は行っていません。受付時間外に来院されても対応不可能の際にはご了承下さい。

骨粗鬆症について

近年、日本は世界の国々に先駆けて、超高齢社会を迎えています。さらに平均寿命が延びつづけ、健康寿命(自立した生活がおくれる年齢)との差が問題となっています。つまり寿命が尽きるまでの間を何らかの障害を有しながら生活していくことになるのです。寝たきりなどの要因として、骨折や関節症、筋肉減少症などの運動器の障害がクローズアップされていますが、特に骨折を起こす原因として骨粗鬆症が問題となっています。いつの間にか骨折と言われているように、知らない間に背骨が骨折している(脊椎椎体骨折)ことも良く知られた病態です。中でも大腿骨近位部骨折は骨粗鬆症性骨折の中で最も重篤であり、歩行困難になるだけでなく死亡に至ってしまう骨折であることが知られています。骨粗鬆症を予防することは極めて重要な課題となっています。

骨粗鬆症の原因としては、閉経によって女性ホルモンが減少するために起こる閉経後骨粗鬆症、糖尿病や高血圧、慢性腎臓病(CKD)、閉塞性肺障害(COPD)などの生活習慣病、関節リウマチ、乳がんや前立腺癌に対して行われるホルモン療法などによって起こる続発性骨粗鬆症、男性骨粗鬆症などがあります。

骨粗鬆症の治療は、骨吸収抑制薬(骨の吸収を抑制するもの)と骨形成薬(骨の形成を促進するもの)の2種類があります。投与方法は、内服薬(毎日、週に1回、または月に1回の内服)や注射剤(病院に来て投与するもの、自己注射を行うもの)があり、患者様の状況によって使い分けていくことになります。 骨粗鬆症になると容易に骨折を起こすため、骨折を予防するために骨粗鬆症治療を継続することが重要であり、私たちはその支援を行い、評価と治療のための骨粗鬆症専門外来(担当:整形外科医師 田中瑞栄)を行っております。

骨粗鬆症臨床センターについて

骨粗鬆症について診断し、各診療科と連携して、適切な評価、治療を行い、地域の骨粗鬆症の患者様を支援します。診療科の壁を越えて、多方面から患者様の治療を行います。
目的:骨粗鬆症性骨折の予防、一次骨折予防、二次骨折予防
扱う病名:閉経後骨粗鬆症、続発性骨粗鬆症、男性骨粗鬆症、くる病・骨軟化症、その他の骨代謝疾患 など
検査:DXA(骨密度) 脊椎レントゲン 採血 採尿 CT MRI 骨シンチ
対象患者:上記の疾患の疑いや評価希望の方、骨折後の方 脆弱性骨折を有する方、近隣の医療機関からのご紹介患者様、院内からのご紹介患者様
※脆弱性骨折(骨粗鬆症性骨折)とは、大腿骨近位部骨折、脊椎骨折、橈骨遠位端骨折、上腕骨近位部骨折、骨盤骨折、肋骨骨折などの骨折 において軽微な外力で生じた骨折の事です。
 骨粗鬆症臨床センター長
整形外科 徳重潤一
 責任医師
整形外科 田中瑞栄(骨粗鬆症認定医 骨粗鬆症学会評議員)
 担当看護師
看護部 嶋田小百合(外来看護師長 リエゾンマネージャー)
 協力診療科
放射線科(牧田幸三)、内科(藤岡高弘・仲井盛)、婦人科(岡垣竜吾)、歯科口腔外科(小佐野仁志)、脳外科脊椎(宮本倫行)、地域連携室(田中隆則)、薬剤部(福永貴志)、リハビリテーション科(橋元崇)、回復期病棟(金民大)
 外来曜日
整形外科 田中 :火曜日 午後
     田中(一般外来・骨粗鬆症):月曜午前 水曜午前 木曜午前
内科   藤岡 :火曜日 午後

関節鏡臨床センターについて

2022年10月、練馬光が丘病院新病院開設に伴いまして、関節鏡臨床センターを開設させて頂くことになりました。
肩や膝などの関節疾患・スポーツ損傷に対して、関節鏡を用いることにより、低侵襲で正確な治療を行い、合併症の軽減・術中術後の疼痛軽減・早期復帰などを可能にすることを目的に設立させて頂きました。
治療する疾患としまして、肩は腱板断裂・反復性肩関節脱臼・関節唇損傷・上腕二頭筋長頭腱損傷・関節拘縮・関節内骨折などが含まれます。
腱板断裂は肩を挙げるのに重要な腱板が、加齢や外傷により断裂してしまう疾患です。
断裂を放置してしまうと、変形性肩関節症となり、人工肩関節でしか治せなくなることもあります。腱板断裂は、腱の状態が良く、断裂がまだ小さい早期であれば十分縫合可能であります。そのため早期発見でMRIをとれば腱が断裂しているかどうかは、簡単に分かります。
反復性肩関節脱臼は、肩が脱臼を繰り返す状態であり、主として肩の関節の袋が剥がれてしまって起こりますが、関節鏡で低侵襲に治療することが可能です。さらに症状が進み肩の骨に変形を来した場合には、腱付きの骨を移行して骨の変形部分を補強し、激しいスポーツをしても脱臼しにくい、より強固な固定が可能な方法もあります。
肩の拘縮は関節の袋が狭くなり、肩の動きがわるくなる疾患です。これも関節鏡で関節の袋を切開し拡げ、さらにリハビリを行うことにより治療することが可能です。
膝は前十字靱帯損傷・半月板損傷・関節遊離体・膝蓋大腿靱帯損傷・膝関節内軟骨損傷などを、関節鏡で治療することが可能です。
膝前十字靱帯損傷は、スポーツなどで膝をひねったあとに膝の腫脹と不安定性を来す疾患です。スポーツ復帰等を目指す場合には、腱の一部を採取して再建する方法があります。
半月板損傷は、軟骨を保護する機能を持つ半月板が損傷することにより、放置すると変形性膝関節症の原因にもなります。近年縫合する機械やインプラントの進歩により低侵襲に縫合可能になりました。
関節内遊離体も放置していると変形性関節症の原因になりますので、摘出することが勧められております。
肩や膝以外にも、肘関節や足関節なども関節鏡を用いて治療が可能です。
人生100年時代を迎えた今日では、健全な生命活動を行ってゆくために、関節の機能はとても重要といえます。
新病院の開設に合わせ、関節鏡のシステムや手術室も最新なものになりました。
関節鏡を用いた低侵襲な手術・より疼痛の少ない伝達麻酔を併用した麻酔・新しく清潔な病院での入院リハビリ加療・緑豊かでアクセスのよい外来での、きめの細かい経過観察とリハビリ加療を通して、患者さんの生活の質の向上と健康寿命を維持することに貢献させていただけたらと思っております。

練馬光が丘病院 関節鏡臨床センター  佐藤 達夫

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