整形外科

整形外科

整形外科とは

整形外科は運動器、すなわち骨・関節・筋・腱およびそれらに関わる神経の疾患や外傷を扱う診療科です。骨折や捻挫などの外傷、加齢に伴う変形性骨関節疾患、骨粗鬆症、骨組織や軟部組織の腫瘍、先天異常による先天性疾患など、その内容は多彩であり、小児から高齢者まで全ての年齢層が対象であり、患者数も大変多い診療科です。

診療科の特色

整形外科は常勤スタッフ6名で診療を行っています。当科は従来通り外傷治療(高齢者の大腿骨近位部骨折や小児から青壮年の四肢骨折および関節外傷治療)を重点的に行っています。
また科内に骨粗鬆症臨床センターと関節鏡臨床センターを設け、骨粗鬆症の専門的診療ならびに膝の靭帯・半月板損傷や肩の腱板損傷等の専門的診療を行っています。
変形性股関節症・膝関節症・肩関節症の人工関節手術も行っています。
骨・軟部悪性腫瘍や小児先天性疾患などの集学的治療を要する疾患は原則扱っていません。
なお2023 年度より新たに脊椎外科が開設されましたので、脊椎外科疾患につきましては脊椎外科にご紹介下さると幸いです。(詳しくは「脊椎外科」をご参照ください。)
今後もなお一層地域の先生方とのつながりを大切にしたいと考えていますので、何卒よろしくお願いいたします。

当科外来へ受診される方へ

当科では、急性期病院であるため病院でなければできない検査、診断、および治療を必要とされ、今後入院治療や手術を必要とされる患者さんを基本的な対象としています。 そのため外来通院での投薬、注射、あるいは物理療法(温める、電気をかける、牽引するといったいわゆるリハビリ)のみの患者さんはお近くの開業医の先生への通院をお願いしています。 当科では、外来診療時間は午前のみ(受付時間11 時30 分まで)となっており、原則午後の外来診療は行っていません。受付時間外に来院されても対応不可能の際にはご了承下さい。

骨粗鬆症について

近年、日本は世界の国々に先駆けて、超高齢社会を迎えています。さらに平均寿命が延びつづけ、健康寿命(自立した生活がおくれる年齢)との差が問題となっています。つまり寿命が尽きるまでの間を何らかの障害を有しながら生活していくことになるのです。
寝たきりなどの要因として、骨折や関節症、筋肉減少症などの運動器の障害がクローズアップされていますが、特に骨折を起こす原因として骨粗鬆症が問題となっています。
いつの間にか骨折と言われているように、知らない間に背骨が骨折している(脊椎椎体骨折)ことも良く知られた病態です。中でも大腿骨近位部骨折は骨粗鬆症性骨折の中で最も重篤であり、歩行困難になるだけでなく死亡に至ってしまう骨折であることが知られています。骨粗鬆症を予防することは極めて重要な課題となっています。

骨粗鬆症の原因としては、閉経によって女性ホルモンが減少するために起こる閉経後骨粗鬆症、糖尿病や高血圧、慢性腎臓病(CKD)、閉塞性肺障害(COPD)などの生活習慣病、関節リウマチ、乳がんや前立腺癌に対して行われるホルモン療法などによって起こる続発性骨粗鬆症、男性骨粗鬆症などがあります。

骨粗鬆症の治療は、骨吸収抑制薬(骨の吸収を抑制するもの)と骨形成薬(骨の形成を促進するもの)の2種類があります。投与方法は、内服薬(毎日、週に1回、または月に1回の内服)や注射剤(病院に来て投与するもの、自己注射を行うもの)があり、患者様の状況によって使い分けていくことになります。 骨粗鬆症になると容易に骨折を起こすため、骨折を予防するために骨粗鬆症治療を継続することが重要であり、私たちはその支援を行い、評価と治療のための骨粗鬆症専門外来(担当:整形外科医師 田中瑞栄)を行っております。

骨粗鬆症・ウィメンズヘルスケアセンターについて

骨粗鬆症臨床センターとして火曜日午後外来診療を行っておりましたが、超高齢社会をむかえて、骨粗鬆症は多種多様な疾患と関連しています。

特に女性の健康問題と関連が大きいことから、ライフステージ(思春期 成熟期 更年期 老年期)による疾患や課題に診療科の壁を越えて対応していくため、骨粗鬆症・ウィメンズヘルスケアセンターを立ち上げました。

 

産婦人科、内分泌内科(糖尿病内科)、リウマチ膠原病科、脊椎外科、歯科口腔外科、呼吸器内科、乳腺外科、精神科、放射線科、緩和ケア内科、リハビリ科、栄養科、薬剤部などの、他診療科と院内連携を構築し、多角的な診療の中核となることを目指してまいります。

対象となる疾患について

当センターでは、原発性骨粗鬆症、二次性骨粗鬆症、男性骨粗鬆症に加えて、

  • 思春期・成熟期の運動不足、骨ケア
  • 産後の骨盤底機能障害(尿漏れ、骨盤臓器脱、膣のゆるみ)や運動器障害(腰痛 仙骨痛 恥骨痛)などのご相談や診療

  • 周産期における整形外科診察

  • 更年期のさまざまな不定愁訴

  • 癌治療後のフレイル、乳がん術後アロマターゼ阻害薬による骨粗鬆症

  • 自己免疫性疾患、甲状腺疾患を合併する方の骨ケアのご相談

  • COPDによる骨粗鬆症のご相談

  • 骨折後や骨粗鬆症による慢性疼痛

その他、様々な症状のご相談窓口となるよう努めてまいります。

 

責任医師

整形外科 田中瑞栄(骨粗鬆症認定医 骨粗鬆症学会評議員)

担当看護師

看護部 嶋田小百合(外来看護師長 リエゾンマネージャー)

骨粗鬆症・ウィメンズヘルスケア外来曜日
担当医:整形外科 田中 火曜日 午後、木曜日 午後、その他随時ご相談可

 

関節鏡臨床センターについて

2022年10月、練馬光が丘病院新病院開設に伴いまして、関節鏡臨床センターを開設させて頂くことになりました。
肩や膝などの関節疾患・スポーツ損傷に対して、関節鏡を用いることにより、低侵襲で正確な治療を行い、合併症の軽減・術中術後の疼痛軽減・早期復帰などを可能にすることを目的に設立させて頂きました。
治療する疾患としまして、肩は腱板断裂・反復性肩関節脱臼・関節唇損傷・上腕二頭筋長頭腱損傷・関節拘縮・関節内骨折などが含まれます。
腱板断裂は肩を挙げるのに重要な腱板が、加齢や外傷により断裂してしまう疾患です。
断裂を放置してしまうと、変形性肩関節症となり、人工肩関節でしか治せなくなることもあります。腱板断裂は、腱の状態が良く、断裂がまだ小さい早期であれば十分縫合可能であります。そのため早期発見でMRIをとれば腱が断裂しているかどうかは、簡単に分かります。
反復性肩関節脱臼は、肩が脱臼を繰り返す状態であり、主として肩の関節の袋が剥がれてしまって起こりますが、関節鏡で低侵襲に治療することが可能です。さらに症状が進み肩の骨に変形を来した場合には、腱付きの骨を移行して骨の変形部分を補強し、激しいスポーツをしても脱臼しにくい、より強固な固定が可能な方法もあります。
肩の拘縮は関節の袋が狭くなり、肩の動きがわるくなる疾患です。これも関節鏡で関節の袋を切開し拡げ、さらにリハビリを行うことにより治療することが可能です。
膝は前十字靱帯損傷・半月板損傷・関節遊離体・膝蓋大腿靱帯損傷・膝関節内軟骨損傷などを、関節鏡で治療することが可能です。 膝前十字靱帯損傷は、スポーツなどで膝をひねったあとに膝の腫脹と不安定性を来す疾患です。スポーツ復帰等を目指す場合には、腱の一部を採取して再建する方法があります。
半月板損傷は、軟骨を保護する機能を持つ半月板が損傷することにより、放置すると変形性膝関節症の原因にもなります。近年縫合する機械やインプラントの進歩により低侵襲に縫合可能になりました。
関節内遊離体も放置していると変形性関節症の原因になりますので、摘出することが勧められております。
肩や膝以外にも、肘関節や足関節なども関節鏡を用いて治療が可能です。
人生100年時代を迎えた今日では、健全な生命活動を行ってゆくために、関節の機能はとても重要といえます。
新病院の開設に合わせ、関節鏡のシステムや手術室も最新なものになりました。
関節鏡を用いた低侵襲な手術・より疼痛の少ない伝達麻酔を併用した麻酔・新しく清潔な病院での入院リハビリ加療・緑豊かでアクセスのよい外来での、きめの細かい経過観察とリハビリ加療を通して、患者さんの生活の質の向上と健康寿命を維持することに貢献させていただけたらと思っております。

練馬光が丘病院 関節鏡臨床センター 佐藤 達夫

徳重 潤ー 写真

徳重 潤ー / とくしげ じゅんいち

所属 副病院長/整形外科
出身大学 自治医科大学(1986年卒)
専門分野 骨折治療、関節外科
主な資格・認定 日本整形外科学会専門医、研修指導医
主な所属学会 日本整形外科学会 骨折治療学会 関東整形災害外科学会
田中 瑞栄 写真

田中 瑞栄 / たなか みずえ

所属 整形外科 部長
出身大学 東京女子医科大学(1991年卒)
専門分野 骨粗鬆症・骨代謝性疾患/整形外科一般
主な資格・認定 日本整形外科専門医・指導医 骨粗鬆症学会認定医 臨床研修指導医
主な所属学会 日本整形外科学会 骨粗鬆症学会評議員
佐藤 達夫 写真

佐藤 達夫 / さとう たつお

所属 整形外科 部長
出身大学 東京医科大学(1993年卒)
専門分野 肩の関節鏡手術 (反復性肩関節脱臼鏡視下手術、鏡視下腱板縫合術)/膝の関節鏡手術 (鏡視下前十字靭帯再建術、半月板縫合術) /肩の人工関節 (リバースショルダー人工肩関節)/膝の人工関節 (TKA/UKA)/スポーツ整形
主な資格・認定 日本整形外科学会専門医 日本整形外科学会スポーツ医 リバースショルダー人工肩関節置換術資格医 日本整形外科学会リウマチ医 日本整形外科学会脊椎脊髄医
主な所属学会 日本整形外科学会 東日本整形外科学会 日本肩関節学会 日本関節病学会
コメント 肩、膝の痛みでお困りの方がいらっしゃいましたら、リハビリや注射の保存的加療、関節鏡手術とリハビリ加療、人工関節置換術など多くの治療方法がありますので、 是非外来にお越しいただき、診察させて頂きたいと思っております。
木村 隆治 写真

木村 隆治 / きむら たかはる

出身大学 京都府立医科大学(2013年卒)
専門分野 救急・集中治療/整形外科
主な資格・認定 内科認定医 救急専門医
主な所属学会 日本内科学会 日本救急医学会 日本整形外科学会
コメント 痛みのわかる医師になれるよう、努力しています。
萩原 和樹 写真

萩原 和樹 / はぎわら かずき

所属 整形外科
出身大学 関西医科大学
専門分野 リハビリテーション
主な資格・認定 リハビリテーション専門医、義肢装具士判定医、15条指定医
主な所属学会 日本リハビリテーション学会、日本臨床神経生理学会、日本整形外科学会
コメント 令和6年4月に入職しました 萩原 和樹と申します。至らぬ点も多々あるかと思いますが、地域の皆様のお役に立てるよう誠意を持って日々精進いたしますので、どうぞ宜しくお願いいたします。
藤多 照久 写真

藤多 照久 / ふじた てるひさ

所属 整形外科
出身大学 帝京大学
主な所属学会 日本整形外科学会 足の外科学会
コメント よろしくお願いいたします。

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