当院では2012年より頻脈性不整脈に対するカテーテルアブレーションを施行しております。対象疾患は心房細動、上室性頻拍、期外収縮、心室頻拍などになります。2024年度より不整脈専門医2名が常勤となり、練馬地域での不整脈治療を発展させるべく活動を行っております。
心房細動は、主に動悸・息切れなどの症状の原因となる不整脈であり、最も有病率の高い頻脈性不整脈です。また、動悸症状のみならず心原性脳塞栓症(脳梗塞の一種)やうっ血性心不全の主たる原因であり、患者様の生命予後や生活の質を著しく低下させることが知られています。
1998年に初めて心房細動に対するカテーテルアブレーションの有効性が報告されて以来、心房細動に対するカテーテル治療は発展を続け、現在では症状改善のみならず患者様の予後改善にも寄与しており、日本全国でも年間10万人を超える患者様が治療を受けています。当院でも2017年より心房細動に対するカテーテルアブレーションを実施しております。
1990年代より、カテーテルアブレーションは高周波通電による熱アブレーションが主流となっておりました。これは高周波による熱エネルギーを用いて病的心筋を焼灼(壊死)させることにより不整脈を治療する方法です。長らく高周波通電が行われておりましたが、一定の確率で心臓からの出血(心臓損傷・心タンポナーデ:1.2〜1.3%)や左房食道瘻(0.05%)、横隔膜神経麻痺が発生してしまい、これらの合併症をゼロにすることは困難でした。
2024年度より日本でも保険適応となったパルスフィールドアブレーションは、従来の熱エネルギーによらない高電圧パルスを使用することにより、心臓損傷や食道障害、神経障害を極めて低減することができ、また手術時間の短縮により被曝低減や麻酔時間の短縮などが期待される新しい治療法です。当院でも2024年11月より周辺地域に先駆けてパルスフィールドアブレーションを導入しており、多くの患者様の治療に寄与しております。
写真提供:ボストン・サイエンティフィックジャパン株式会社
現在、不整脈専門スタッフとして佐藤陽(外来:月曜午前・金曜午前)・齋藤大樹(外来:木曜午前・金曜午後)が外来診療を行なっております。近隣の医療機関からのご紹介も承っておりますが、紹介状なしでの受診も可能です。詳しくは練馬光が丘外来1Aまでご連絡ください。
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